もしもケインズがカーブスを運営したら(自由気ままな考察 2019)
ケインズはイギリスの経済学者で、彼の提唱したケインズ経済学は、市場経済は自動的な安定作用を備えたものではないと言うものでした。ですので、不景気な時には、モノの価値が低下することにより新たな需要を生み出す可能性はあるものの、労働者の賃金が下がる結果、所得が下がり、さらに需要を低下させることにつながると説きました。ですので、市場の機能は重視しますが、市場に任せておくだけでなく、不況の時には政府が公共投資を増やして、景気の落ち込みを防ぐことが大事だという考え方でした。当時は画期的な考え方でしたので、多くの国の経済政策にかなりの影響力を与えたようですが、1970年代以降にインフレと不況が同時に起こるようになると、政策が功を奏さず、ケインズの考え方の地位は低下していったようでした。もしケインズがカーブスを運営していたらですが、今の形のカーブスは形成されなかった可能性もあります。政府の介入があると言うことは、自由な経済活動が発展しにくくなる要素をはらんでいます。対してカーブスは、フィットネス業界ではかなり革新的な考え方の元に運営がされてします。通常、フィットネス業界では会費を払いつつ、あまり通わない会員が多いほど収益が上がるとされています。ですが、カーブスの場合、そのような会費を払うだけの会員は少ないようです。また、この業界では珍しく、女性、それも主婦層に的を絞り、営業時間も土曜日の午後や日曜日が休みと、通常のフィットネスクラブであれば絶対休みにしない時間帯をあえて休みとしているのも、あくまで主婦層がターゲットだからです。さらに、お昼の食休みの時間も営業をせず、機器のメンテナンスやスタッフの会合の時間としていることも、シフト性を敷くフィットネス業界では異例です。業界の異例をものともしないカーブスの経営は、政府の介入を得ても安定を目指すケインズの考え方では思いつきもしなかった経営方法化もしれません。