三重県亀山市における不動産売買の現況(2019・令和元年)
三重県亀山市は県の北中部に位置する市で、市面積は約191平方キロメートル、総人口はおよそ5万人です。市の中央部から南へ鈴鹿川や安楽川が流れる平野が形成され住宅地となっていますが、北西部には鈴鹿山脈が走るという全体的に丘陵地が多い地形です。市を横断するようにJR関西本線が走る他、亀山駅は紀勢本線の起点駅にもなっているので、三重県南部の津市や松阪市などへ移動も便利です。また、東名阪自動車道と名阪自動車道のジャンクションが設けられていることに加え、新名神高速道路も開通したため都市間を結ぶ高速網の要衝地と位置付けられ、これらの交通インフラにより市内にはいくつも工業団地が存在し、三重県下でも有数の工業都市に成長しました。また、市域のおよそ75パーセントは山林や田畑であるため農林業も盛んで、特にお茶は亀山茶として広く知られています。亀山市の特徴は、三重県の他市域と異なり人口が増えていることで、これは2003年以降の液晶産業などの企業立地に伴い転入者が増えたことに由来しています。一方、公示地価は平均4万5千円、坪単価では平均11万円で、前年からの変動率はマイナス1.3パーセントとなっていますが、亀山市内の基準点はJR紀勢本線の駅への距離が短いほど高くなる傾向にあります。住宅地の地価平均金額は3万8千円ですが、商業地・工業地は倍近くの7万円が平均金額で、用途別では唯一のプラス変動です。不動産売買における中心地は井田川などの北東部や布気、天神地域の活性化が目立ち、都市計画区域外の南部地域などでは目立った動きがないことが現況で、中心部では転入者の増加により宅地化が進行しており、特に進んでいる地域は国道306号線沿道や能褒野地域で、更に亀山駅周辺は都市計画が決定されているなど、ますます増加の傾向にあります。今後は市西部にある加太駅周辺の産業集積地周辺おける居住系の不動産売買の活性化が期待されています。