岩手県の不動産売買の現況(2019)
東北地方の中でも、太平洋側に属している岩手県の不動産売買の現況を見ると様々なことが理解できます。まず、不動産売買の数自体は平成14年あたりからほとんど変わっていません。上昇している傾向は少なく、取引きは縮小している傾向が見受けられます。これは、首都圏に人口が集中していることも一因といえるかもしれません。人口集中しているため、土地を購入したいと考える人が減少してきています。実際に岩手県に限らず個人的に土地を購入する人の多くは20代後半から40代半ばぐらいになります。もちろんそれ以上の年齢でも購入する人はいるかもしれませんが、たいていは住宅を購入する時にたちも一緒に購入するパターンです。それぐらいの年齢の人は、子育て世代と言われている世代ですのでちょうどそれぐらいの年齢層が該当するでしょう。
ところが岩手県の場合は、中心の盛岡市や八戸市などを除けば若い人が減少してきている傾向が見受けられるわけです。そうすると、必然的に土地の売買が少なくなり結果的に土地が売れないといった流れが出てきます。そのため、売却をする場合でもあまり高い金額で取引きされることはありません。裏を返せば、不動産を購入する人にとっては非常に都合が良い状態です。良い物件を安く手に入れることができますので、下手に都心部に行くよりもメリットがあるといえるでしょう。
実際にどれぐらいの金額で売買されているかといえば、岩手県全体の坪単価を見ると、14万円前後になります。もちろんこの金額も、県の平均になりますので県の中心部と農村部では大きく金額が異なることを理解しておかなければできません。例えば、農村部の場合にはその土地を購入する人は農家が中心になるでしょう。農家の数も減少してきていることを考えれば、購入する人もそれほど多くありません。そうすると、一坪あたり1万円未満で取引きされていることも考えられます。
一方で、八戸駅や岩定期など新幹線が停車するような大きな駅前では同じ岩手県内でも一坪あたり50万円以上で取引きされていることも決して少なくありません。