福島県の不動産売買の現況(2019)
福島県の不動産売買の状況は、いわゆる東日本大震災後から徐々に回復傾向にあります。実際に、住宅関連における不動産売買の現況をみても従来までとほぼ同じ推移で保っていると回答した業者は平均して50%から60%程度存在しています。この点からも、震災後からのその後の経過が順調であることがわかります。また、商業地域での不動産取引も順調である傾向が見てとれます。例えば、東日本大震災後の商業地における不動産取引では、取引状況が下落したと回答する業者が半数を超えていたのに対して、それから5年後には半数以上が現状維持で保っていると回答しています。つまり、悪い状況にはなっていないことがわかります。こうした不動産取引における内情については、それぞれの地域で大きな違いが存在します。例えば、業者の多くは被災地域からの購入希望者が減ってきていると回答しているものの、若年層での不動産の購入が多くなっていると答えている地域もあります。世代交代が進んでいて、それによって不動産取引の現状維持や回復を期待できる現況が存在します。実際に、県外からの購入希望者が多い地域も存在していて、福島から外部に行っていた被災後当時とは異なって、福島では若い人が入ってきていることも不動産取引の動向で窺えます。これについても、不動産売買を行っている業者はアンケート等に応えています。具体的には、自主避難者などの福島への帰還について不動産市場への影響が考えられるとしている業者は40%以上程度存在します。一方で、不動産売買の中でも特に賃貸物件に関連する取引においては若干下落傾向があると考えられています。これは、福島で作業などを行っていた会社が賃貸物件を売り払う、あるいは出て行って空き家が増えているからです。結局、福島県の不動産売買の現況を総合的にみると東日本大震災以後はそれ以上に取引市場が落ち込んでいるというデータはなく、むしろ若年層からの取引増加を期待できる状況になっています。。