三重県鈴鹿市は三重県の北部に位置する市で、人口はおよそ20万人です。奈良時代には伊勢国の国府が置かれるなど政治と商業の中心地として栄えていましたが、第二次世界大戦中に海軍の工廠が設置されたことから工業都市に生まれ変わったという経緯があり、現在では大手企業の製造拠点となっている他、全国的に有名な鈴鹿サーキットがあるため自動車関連の工場なども多く見られることが特徴です。そのため多くの地方都市に見られるような人口減少はなく、三重県全体でも人口流出が続く中、鈴鹿市は昭和30年以降多少の増減はあるものの右肩上がりに増え続けています。一般世帯数はおよそ78000世帯で、最も人口が多いのは白子地区の12000世帯、次いで玉垣地区の10000世帯、牧田地区の6000世帯となっており、この3地区のみで鈴鹿市の約4割を占めます。年間不動産売買の件数は鈴鹿市全体で約1000件から2000件前後ですが、これら3地区が中心で、郊外では地価は減少しているものの売買件数はあまり多くありません。これらの地域は工業密集地であることに加え近鉄名古屋線の白子駅、千代崎駅から近いこともあり、隣接する四日市市のベッドタウンとして今後の不動産売買も活発になると見込まれています。鈴鹿市の公示地価は1平方メートル当たり平均4万円で、坪単価では平均13万円前後となっており、変動率は2018年と比較してマイナス6パーセントですが、三重県全体のマイナス8パーセントより上回っています。基準点は近鉄名古屋線とJR関西本線で、ここへの距離が近いほど高い傾向にありますが、周辺では空いている土地は少なく不動産売買の中心は中古住宅およびマンションです。この原因は中部地区において名古屋市や四日市市への産業集中化が進んでいることと考えられており、通勤需要から駅前の周辺は今後ますます活性化すると予想されているのが鈴鹿市の不動産売買における現況となっています。