三重県名張市における不動産売買の現況(2019・令和元年)
三重県名張市は県西部の位置する市で西部と南部は奈良県に接しており、市面積は約130平方キロメートル、総人口はおよそ7万7千人です。県境を含めた周囲は山に囲まれており、市街地は中央部から北部にかけた盆地を中心に広がり、内陸特有の四季の変化を感じ取ることができる気候で降水量が少ないことが特徴です。名張市は昭和の時代に入ってから近鉄大阪線が開通し、大阪の都市部までおよそ60分と近距離になったことから大規模な宅地開発が進んだ結果、アクセスの便利さから大阪府や奈良県周辺のベッドタウンとして発展し、市制発足当時は3万人だった人口が現在の7万人超えまで急速に増えた経緯があります。他にも名阪国道や国道165号線が市内で交差していることもあり、名古屋方面にもアクセスしやすい都市交通網が充実している都市となっています。しかしながら急速に増えた中心部の名張地区の人口は1965年以降減少が見られるものの、桔梗が丘やつつじが丘など新たに住宅開発された地域では引き続き増加傾向で、公示地価は平均4万円、坪単価では平均13万2千円で、前年からの変動率はマイナス2.4パーセントと緩やかです。名張市の不動産売買は平均坪単価16万円の名張駅周辺を筆頭に、桔梗が丘周辺の13万5千円、百合ヶ丘の10万円と続き、一戸建ての場合は中古住宅を中心に活発な動きを見せており、相場は下が800万円から上は3千万円前後が主流となっています。2013年にスタートした異次元緩和政策によって金利が大きく低下したこともあり、これらの人気エリアでも不動産を購入しやすくなったため、通勤需要の高い名張駅周辺のマンションなども人気が高く、郊外の住宅開発地区もショッピングモールの建設などが相次ぎ、不動産売買は活性化していることが名張市における現況です。今後は名張市の税収を安定させるため、立地適正化計画が施行される予定で、中心地における不動産売買は更に活発になると予想されています。