三重県松阪市における不動産売買の現況(2019・令和元年)
三重県松阪市は三重県のほぼ中央にあり東西に細長い形状で、面積はおよそ624平方キロメートル、人口は約16万1千人です。市西部は紀伊山地を望む山岳地帯となっており、東部は伊勢湾に面した都市部でJR紀勢本線と名松線、近鉄山田線の鉄道の他、国道23号線と42号線に面しているため関西圏や名古屋方面からのアクセスに優れています。また、松阪港からは中部国際空港への定期便が運航していることから、三重県の海の玄関口という役割も担っています。松阪市の公示地価は平均3万8千円、坪単価では平均12万6千円で、宅地の平均価格は1平方メートルあたり2万1千円、坪単価にすると9万6千円前後で、最高値であった1991年から年々減少傾向にありますが、ここ数年はほぼ横ばいです。最も地価の高い地点は松阪駅東側の京町地区における1平方メートルあたり9万2千円で、逆に最も低い地点は県西部の飯高町周辺の5千円で、価格差は8万円以上もあります。不動産売買においても東部の都市部が中心となっており西部ではほとんど扱われず、東部への一極集中化が顕著に見られます。これは人口においても同様で、市全体では減少傾向にあるものの、駅を中心とした朝日町や下村町、大黒田町、高町周辺は宅地開発などにより世帯数も増加していますが、飯西町や飯南町、飯高町といった山間部になればなるほど人口減少が見られます。不動産売買の中心年代である30歳代から40歳代の人口も2007年ころをピークに減少を続け、この10年間ではおよそ7万人もの人口減少が見られるため、不動産物件の買い手も減ってしまいあまり活発とは言えないのが現況です。今後の不動産売買は、大黒田町を筆頭に駅部田町、久保町といった近隣地域へのアクセスに優れた駅に近い地域が中心になると予想されています。取り扱い物件は現状では多く存在する専有面積200平方メートル超えるような大型物件は減少し、高経年物件の取引が増加すると考えられています。