三重県津市における不動産売買の現況(2019・令和元年)
三重県津市は伊勢平野のほぼ中央の伊勢湾に面した都市で、海沿いに市街地が走る三重県の県庁所在地です。日本一短い地名として知られており、市面積は約711平方キロメートル、総人口はおよそ27万6千人で、2006年の市町村合併で旧津市とその周辺9市町村が一体となったことにより、三重県内の市町で最大の面積を保有することになりました。県庁を始めとした行政機関や総務省などの国家機関、県立博物館や美術館など県を象徴する公的施設が立地しており、市を南北に走る国道23号と東西に走る国道163号、165号など道路が整備されている他、鉄道もJR紀勢本線や伊勢鉄道、近鉄名古屋線があり、関西圏や名古屋圏からのアクセスが便利になっています。また、2005年には中部国際空港への海上アクセス港である「津なぎさまち」が開港するなど、都市機能が集積した恵まれた地域と言えます。津市の人口は合併時の2005年をピークに年々減少傾向にあり、特に白山、美杉、安濃、美里といった地域の減少率が高くなっている一方、河芸や久居地域などは鈴鹿市や津市中央部へ隣接しているため人口は増加傾向にあります。これは津市の不動産売買に大きく影響しており、世帯数も河芸地区でおよそ7000世帯、久居で9000世帯と多く、土地価格も坪当たり80万円から100万円と高値で推移しています。何れも静かで落ち着いた雰囲気のある街で、郊外型の商業施設やスーパーマーケットなど生活に必要なものを取りそろえるのに便利なエリアとなっています。一方、市南部の美杉や白山などは駅からも離れていることから不動産売買はあまり活発とは言えず、昔からの居住者が住み続けているという状況です。市中心部の中古マンションの取引価格の平均値は坪当たり76万円で前年度と比較しても下落率は少なく、物件の特徴として駅から徒歩10分圏内の取引件数が大きく増加しています。今後もこの傾向は変わらないと考えられているのが津市における不動産売買の現況となり、駅周辺から沿岸部にかけて活発化していくと予想されています。