京都府の通所介護施設の現況(令和元年・2019)
京都府の面積は4600平方キロメートルで全国でも小さい部類に属していますが、人口はおよそ260万人と多く、人口密度としては全国10位にランクインしています。前年度と比較した人口増加率はマイナス18500人と減少傾向にある中、総人口に占める65歳以上の割合はおよそ30パーセントで、全国的に増加傾向にあるものの全国平均と比べても3パーセントほど高くなっていることが特徴です。今後も高齢者率は高くなると予想されており、前期高齢者は2015年をピークに減少していますが後期高齢者は増加を続け、2020年には前期高齢者人口を上回ると推測され、府民5人で2人の高齢者を支える構図になると見込まれています。京都府内の人口分布は京都市が145万人と府全体の50パーセント以上を占め、次いで宇治市の18万人と亀岡市の9万人と続いていることから京都市に人口が集中していることが分かります。これらの現状を踏まえた上で、京都府の通所介護施設の現況を見てみると、京都府全体では約600件の通所介護施設があり、そのうちのおよそ350件が京都市内に集中しています。宇治市には32件、亀岡市は14件となっており、人口比率に対する通所介護施設数はおおよそ適正な値になっています。これは京都府による「京都式えらべるデイサービス推進事業」が大きく貢献していると考えらます。この事業では京都府内の通所介護施設や介護予防通所、介護事業所を広く普及させるように取り組んでおり、高齢者が楽しみとやりがいを感じながら意欲を持って自主的・継続的に取り組める個別ケアを実施し、生活機能を向上させる介護サービスの在り方について調査と研究を続けています。施設スタッフにも元気な高齢者がボランティアとして参加・支援できるような仕組みとなっており、サービス利用者の活動目的を設定し、活動の記録と評価を行うなど、府を挙げて高齢者支援の普及に努めている結果が反映されていると考えられています。