静岡県の通所介護施設の現況(令和元年・2019)
通所介護施設は要支援3〜5までの人が利用でき、可能な限り日常生活を送れるよう実施されます。自宅にひきこもった人の孤立の解消・心身機能の維持、家族の介護の負担の軽減を目的として準備・実施されるものです。一般的な利用の流れは朝の9時頃、施設担当者が自宅に迎えに来て施設に移動、入浴・食事・静養・娯楽などを行い、夕方4時頃に自宅に送り届けます。高齢者同士の交流も図ることができ、趣味を深めることにも繋がりますから利用者・家族などに大きな利用メリットがあります。
静岡県においては「介護サービス情報の公表」制度が設けられており、介護サービス利用者が客観的な情報を比較検討し、介護サービス事業者を選択しやすいようになっています。所在地・連絡地はもちろん、従業員の数・施設設備の状況や利用料金などが確認でき、さらには従業員への教育・研修の状況、介護サービス事業者の運営情報も得ることができます。
静岡県の通所介護施設(デイサービス)数は1353あり、静岡市に274、浜松市に266あります。次いで沼津市の79、富士市の77になり、他の熱海・三島・富士宮・焼津・藤枝・掛川などの主要な市にも20以上の施設が所在しますので、静岡県の通所介護施設は県内にまんべんなくあることがうかがわれます。市以外の郡部においても10前後の施設があることがほとんどで、このことからも静岡県内の通所介護施設の現況は均等に所在していると推測できます。
静岡県内の通所介護施設の特徴は、設備や従業員を多く抱える大型事業所は訪問介護や認知症予防サービスを行なっていますが、デイサービスのみを行なっている事業所も数多くあるということです。デイサービスが19人の利用施設があれば開設できることを考えると、比較的小型の施設がかなりあると推測できます。これは利用者にとっては都合が良い部分であり、日を変えて利用施設を容易に変更できるとともに、利用費用の市場競争も適応されますから負担が少なくなることが期待できます。懸念事項としては、ケア専門でない事業者が介護施設を開設しているケースが散見され、サービスが手薄になっていないかなどは注視するべき点です。