鹿児島県の通所介護施設の現況(令和元年・2019)
通所介護は日帰りで施設に通い、食事を始めとした身の回りの世話や日常生活上の介護を含めた機能回復訓練を受けることができるサービスです。介護が必要になると外出することも少なくなり、家族との接触が主になってしまい引きこもりになりがちですすが、施設で他のサービス利用者とコミュニケーションを取ることでストレスの解消にもなり、介護する家族にとっても負担を軽減できることから利用者が年々増加傾向にあります。鹿児島県における高齢化率の推移としては、総人口に対して31パーセントとなっており、全国平均と比較して3パーセントほど高く推移しています。また、百歳以上の高齢者数も人口10万人あたりおよそ95人と全国第4位の水準の高さがあります。このように高齢者の割合が多い鹿児島県では、高齢者の健康や医療、福祉に関して総合的にサポートすることを目的とした「すこやか長寿プラン」制度を実施しており、地域ごとの通所介護施設の充実を始めとして、高齢者の快適で安全な生活の確保や高齢者医療の適切な推進など、8つの項目に対して対応しています。通所介護施設の現況としては県内の市町村を7つのブロックに分け、各地域振興局や支庁が鹿児島市を中心に掌握に努めていますが、鹿児島市や日置市、霧島市を中心とした県中心部は施設が充実しているものの、希望する全ての高齢者を受け入れられる体制は整えられておらず、鹿児島市の多くの通所介護施設でも数十名の待ち状況となっているのが実情です。更に、鹿児島県の郡部となると通所介護施設自体が少なく、特に種子島や奄美地方などの薩南諸島になるとその数は激減しているため早急な施設建設が望まれています。なお、サービスを受けるに当たっての自己負担は原則として費用の1割から2割となっていますが、これとは別に食材料費やおむつ代、日常生活に必要となる身の回り品などは別途必要で、送迎を含むサービス適用時間は8時間以上9時間未満となっています。