喘息における通所介護施設の利用について(考察 2020)
喘息は医療機関への通院や治療を行っていれば、発作に対応する治療薬が処方されているため、年齢に関係なく自分で対処できるケースが多いものです。ですが、介護が必要な高齢者などは特に、他の病気を併発していることも多いため、発作時に使用する治療薬で効果が出ない場合も報告されています。さらに、自分や家族だけでは喘息の症状の重篤度を判定することが難しいですし、冷静に判断することも容易ではありません。そのため医療機関への受診が遅れ、重篤な事態になってしまうことも多いようです。その点、通所介護施設には、介護職員と共に看護職員が在籍しているので、通所介護施設を定期的に利用している人であれば特に、症状の見極めがしやすく、発作が起こった時にも看護の専門的な観点で見てもらえ、適切なタイミングで医療機関に受診することができます。
喘息の予防や発作後のケアには、まず一つに治療薬を継続していくことが大切です。特に喘息発作が治まってしまうと、治ったと勘違いして治療薬を継続することを怠りがちです。意図的に薬をしないわけではなくても、発作が治まると薬の必要性を感じなくなるため、失念してしまうことも多くあるでしょう。それでも通所介護施設に通うことによって、介護職員や看護職員に通所している人の状態をチェックしてもらうことになるので、発作の前兆や薬の飲み忘れによる呼吸の変化など、些細な点にも気づいてもらえるメリットがあります。さらに喘息の予防には、呼吸の状態などを記録していくことがカギとなります。天気や季節などにより、呼吸の状態がどのように変化するのかを記録していくことで、どのような時に発作が起こりやすいのか、症状が出やすいのかを客観的に把握し、治療薬の量などの決定に役立ちます。こちらの記録も高齢者の場合は継続的に行うことが難しい場合があり、通所介護施設を利用している人であれば、介護職員や看護職員に記録を付けてもらうこともできるに違いありません。