ロコモティブシンドロームにおける通所介護施設の利用について(考察 2020)
ロコモティブシンドロームは、運動を行う身体器官の機能に障害が起きて、立ち上がったり歩いたり椅子に座るなどの日常の移動能力が低下した状態です。このロコモティブシンドロームが怖い所は、運動器を使わなくなり機能が衰え続けることで、歩行困難から始まって様々な病気の原因になったり、最終的には寝たきり状態になってしまう事です。
通所介護施設を利用することで、ロコモティブシンドロームが起きた原因に基づいて、その患者に適したメニューを作ってリハビリテーションや生活指導や食事の指導などを行っていきます。またまだロコモティブシンドロームになっていないけどなりそうな通所者の予防や生活習慣の改善や啓発をします。
通所介護施設によってプログラム内容には差がありますが、次のようなプログラムを行っています。日本ロコモティブシンドローム研究委員会が監修した、高齢者でも椅子に座りながら出来る体操を行います。この体操によって、運動器を無理せず楽しく動かす事で、腰痛や膝や関節の痛みや骨粗しょう症の予防を行います。椅子に座ったり床に敷いたマットの上で、柔軟性を高めるためにストレッチ運動もします。また運動器の筋力の衰えを予防するために、公的な機関に認証された筋力トレーニングマシーンを使ったり、医療機関が推奨する心肺機能向上器具を使ってトレーニングを行います。定期的にそのプログラムの成果を体力テストで測定して、その都度各個人に最適のプログラムを作成します。それ以外にも脳トレなどを取り入れている、通所介護施設もあります。
すでにロコモティブシンドロームと医療機関から原因を指摘されている場合には、その医療機関と連携して指導を行っていきます。例えば、肥満によって膝の軟骨が磨り減って歩行が難しくなっている場合では、膝に負担をかけないように問題ない他の箇所の運動トレーニングを行います。また主原因である肥満を改善させる為に、食事や日常生活の指導もします。