高血圧における通所介護施設の利用について(考察 2020)
通所介護とは、いわゆるデイサービスと呼ばれているもので、スタッフが決められた時間に自宅へ介護者を迎えに行き、日中は通所介護施設で過ごしてもらいます。通所介護は健常者が利用することが多く、緊急を要するような事象は起きにくいのですが、高血圧の心配がある利用者は気を付けるべき点が複数あります。第一に挙げられるのは入浴。自宅でお風呂へ入る場合にも言えることですが、寒い日であれば高血圧の人は特にヒートショックを引き起こす可能性があり、しっかりと対策をする必要があります。例えば、お湯の温度と脱衣所や浴室の温度はできるだけ近づけることで、急な血圧の上昇を抑えることができるのです。通所介護施設においては温泉水を活用しているところもあり、入浴はとても魅力的ですが、血圧が高めという日はお風呂へ入るのを控えてもらいましょう。次に食事の面にも気を配らねばなりません。マグネシウムやカリウムなどを含む食材を用いて塩分を体外へ排出するのを促進したり、コレステロールの多い食品を控えるといった高血圧対策の食事が必要です。他の利用者とあまりにも食事内容が異なるのは考えものですので、専門的な知識を備えた栄養士などの助言によって、昼食として出す料理を決めていきましょう。通所介護委施設において飲酒をするということは考えられませんので心配する必要はありませんが、禁煙を心がけてもらうなど健康的な生活を送ってもらいます。また、過度な運動は健康を害してしまいますが、スタッフの管理下におけるある程度の有酸素運動であれば、健康が促進されることでしょう。ここまで通所介護施設における高血圧対策を色々と挙げてきましたが、何より大切なのは利用者の家族との意思疎通です。独身の方であれば本人とコミュニケーションを取ることが求められますが、家族と同居しているのなら就寝時や朝の様子などを伝達してもらい、通所介護施設における日中の過ごし方に工夫を加えることが必要なのです。