脳血管疾患における通所介護施設の利用について(考察 2020)
たとえば脳出血や脳梗塞といった脳血管疾患では、手足の麻痺などの可能性もあるほか、身体に様々な症状が出ている場合も多いです。介護保険制度における通所介護施設の利用では、その点を踏まえて利用を考えていく必要があります。要支援認定の場合には、在宅介護支援センターのケアマネジャーが対応しますし、要介護認定の場合には居宅介護支援事業者のケアマネジャーがその利用の是非も含めて考えていくものです。
いずれの場合にあっても重要なことは、通所介護でなければ駄目かあるいは通所リハビリテーションの方が良いのではないかという視点です。単なる通所介護施設すなわちデイサービスセンターでの対応では、なかなか行き届かなくて困ることも起こり得ます。主治医の意見を参考にして、医療機関あるいは介護老人保健施設での通所リハビリテーションの利用の是非を考える必要はあります。
通所リハビリテーションを利用するのであれば、あえて通所介護施設を利用する意味は薄れます。全くの無意味とは限りませんが、通所介護でなくても通所リハビリテーションにおいて対応をしてもらえば、同じ効果は得られます。むしろ通所介護よりも通所リハビリテーションの方が医師や理学療法士などの専門職による、手厚い介護が受けられる可能性が高いです。
脳血管疾患の場合、通常は65歳以上で介護サービスを受けられるところですが、脳血管疾患の場合で必要な人は40歳以上でも対象にすることがあり得ますので、その点も踏まえて考えていくことになります。急性期の場合にはデイサービスセンターではなくむしろ医療機関におけるリハビリテーションによって、日常生活への支障を少しでも減らすことに主眼が置かれますから、そちらでの対応が無難です。日常生活の中でのリハビリにおいても、医師など専門職が対応できる通所リハビリの方が無難と考えられますし、申し込みや相談を受けた通所介護事業所側で通リハ事業所を紹介する可能性が高まります。