緑内障における通所介護施設の利用について(考察 2020)
現在、40歳以上になると約5%の人が緑内障になるとも言われており、高齢者になるほど罹患率も増えていきます。この病気は、視神経に起きる障害により見える範囲が徐々に狭くなり、場合によっては失明の恐れや認知症発症のリスクが増えるとも言われています。早期のうちに発見し治療すれば進行を防ぐことが出来ますが、初期の段階ではなかなか自覚症状が出にくいという特徴を持っています。
緑内障で通所介護施設を利用するためには、要支援・要介護認定を受けることが必要で、要支援1から2、要介護1から5までの全ての人が対象です。認定は原則として65歳以上が対象ですが、64歳以下の人でも「特定疾病」を持つ人なら申請が可能です。特定疾病というのは、心身における病的加齢現象と関連すると思われる疾病で、定められた要件を満たしたものについて総合的に判断されるものです。
認定を受けるための方法は、各市区町村役場へ介護保険の申請をする必要があり、申請後約1ヶ月後に結果が記された介護保険証をもらうことが出来ます。この結果によって適した相談先がありますので、要支援と認定された方は「地域包括支援センター」へ、要介護とされた方は「居宅介護支援事業所」に連絡し、どこの通所介護施設を利用するか相談すると良いでしょう。
通所介護施設では、緑内障などの視覚障害を持つ利用者にはそれに見合った接し方が指導されています。例えば、何かを説明する際には視覚以外のもの、つまり触覚や嗅覚や聴覚などで補う方法です。直接手で触れてもらったり匂いを嗅いでもらいながら説明することで、利用者に正しい情報を伝えることが出来るからです。また、物の場所を示す際にも、「むこうにある」や「あの」といった表現でなく、「右手の横に」や「左足のひざの前に」などと、具体的な表現を用いて説明するなどの配慮がされます。多くの通所介護施設では「ユニバーサル・デザイン」や「バリアフリー」が徹底していますので、視覚に障害がある方でも安心して利用できる環境のところがほとんどです。