COPDにおける通所介護施設の利用について(考察 2020)
デイサービスセンターなどの通所介護施設は、介護保険の保険者である市区町村から要介護認定を受けた65歳以上の人が利用できる所だと認識している人が少なくありません。しかし、65歳未満であっても、40歳以上であれば特定疾病に指定されている病気にかかっていることを理由に要介護認定を受けていれば利用が認められることがあります。したがって、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者は、この病気が特定疾病に指定されていることから、要介護認定を受けていることを示す介護保険の被保険者証等の書類を持っていれば通所介護施設の利用が可能です。
ただし、これは制度上の話であり、実際にCOPDの患者を受け入れるかどうかは通所介護施設側の考え方次第となります。利用が認められるかどうかは患者の重症度だけでなく、施設の利用者へのバックアップ体制や周辺の環境などによっても左右されます。
COPDはステージ1からステージ4までの4段階の病期分類があり、重症度が高いほど利用が認められる可能性が下がります。ステージ1の階段や坂道を歩くときに息切れをする程度の状態であれば、施設内の生活にほぼ支障がないと判断されて通所できるようになる可能性が高いですが、ステージ2およびそれより重症な状態では、気管支拡張薬や喀痰調整薬剤などの治療薬を持参することや酸素供給器具を常備すること、施設内で本人の身体に異変が発生したら施設側の判断で医療行為を受けさせても良いことに同意することなどが条件となるでしょう。
また、症状の面では問題が無くても、既に利用者が施設で定めている定員に達している場合や一時的に受け入れを停止している場合など、施設側の事情で利用が断られるケースもあります。COPD患者の通所介護施設選びではこのような点もチェックしつつ、設備やスタッフの体制が整っている所や、近隣の大病院や診療所、薬局などとの関係が構築されている所など、環境が充実しているとみられる施設の中から申込先を選ぶと良いでしょう。