岐阜県の太陽光発電の現況(2019)
岐阜県は本州に中間に位置する県であり、山地が九割以上を占める地域ですが、精密機器を中心とした工業が盛んな場所になっています。平野部が少ないので農業人口はそれほど高くなく、古くは山地を利用した林業が基幹産業になっていました。しかし材木価格の低迷と後継者不足が顕著になり、現況では従事する人も少なくなっているので、中心になる産業は工業になっています。
岐阜県は戦国時代から優れた刀剣を作るとして有名であり、工業が発展した理由はこの刃物を作る技術から来ています。また水質が良くて精密部品を作るのに適していたことが幸いし、時計の部品製造から始まって、現況では電子機器の製造を行なう会社が多く存在するようになりました。
天候としては内陸なので夏場は暑く、冬はとても寒いという環境にあり、高い山地が多いので日本でも有数の豪雪地帯になっています。そのため秋から春にかけでは雲の多い天候が続くため、太陽光発電を行なうには適していない場所です。また太陽光発電の機器を設置するには平坦な広い土地が必要ですが、そのような場所があれば工場に使用する傾向が強いので、土地不足というのも太陽光発電を実施する上での大きな懸念材料になってしまいます。
日本では豪雪地帯では太陽光発電が広まっていません。それは太陽光パネルに大量の雪が降ると設備を破損する可能性があり、設備が高額になる太陽光発電に消極的になっても仕方ないとも言えるでしょう。日本はそれほど北に位置していないのに豪雪地帯が多いのは、シベリアからの冷たい空気を運ぶ偏西風と、高い山脈によって雲が止まってしまうという地政学リスクから来ています。この降雪のメカニズムは変化する可能性がとても低く、これからも大量の雪が降る岐阜県では、太陽光発電が広がる確率はとても低いでしょう。
現況では太陽光発電は広大な土地と晴天になる確率が高くなければ利益が継続して得られないので、太陽光パネルの構造を変えて晴天でなくても発電ができたり、パネル一枚当たりの発電量が増大しない限り、岐阜県での発展は難しくなっています。