青森県の太陽光発電の現況(2019)
青森県は本州最北端にある県ですから、冬になると積雪が発生する地域になります。太陽光発電において雪がパネルに積もることは、もっとも大きな敵となりうるものです。このため降雪地帯に太陽光発電を設置することは、あまり効率的ではないというイメージがあります。しかし、設置するさいの工夫として角度を付けることやパネルの滑りやすさのあるものにすることによって積雪が発生しても勝手に滑り落ちるようにすることは可能です。また太陽光発電では日照が重要であり、温度はそれほど影響を受けるものではありません。耐寒の設備さえ整えていれば発電効率は他の地域と変わらないものです。このため冬といっても晴れている日もあるもので、雪でパネルに光が届かなくなるリスクを除けば青森県で太陽光発電を行うこと自体はそれほど無茶な話ではありません。現実に2018年には青森県七戸町で最大出力19.6MWのメガソーラーが建設されています。
一方で青森県での太陽光発電の現況としては、青森県でも県東南地域に集中しています。これも積雪量に関係することで、県西部の弘前や津軽といった日本海側に面した地域においては、1月の積雪量が220cmを超えることもあり、また県東北部の下北半島も同様に多く1月の積雪量は150cmを超える地域です。一方で八戸などを中心とした県東南地域の場合には1月の積雪量は80cm程度であり、県西部と比べるとその量は半分程度になります。これは地形による影響が大きく、県東南地域でも山間部の量は多いですが、平野部は比較的少ないもので、この点で、太陽光発電に向いているといえます。
ただやはり条件的に見れば本州南部の積雪のない地域と比べると不利な状況で、住宅用の太陽光発電への自治体の補助金は2019年8月時点ではありません。しかし、産業用の大規模メガソーラーに関しては土地の取得費用も安く、地域の需要もあり、今後も建設が進んでいくと考えられます。