岩手県の太陽光発電の現況(2019)
岩手県の太陽光発電の現況は、2019年度においても順調に数を拡大させているという背景があります。これは、岩手県特有の事情が存在することとも無関係ではありません。そもそも、岩手県では2011年に東日本大震災という大規模な災害に直面したこともあって、自主発電による備蓄の重要性が叫ばれました。電力会社から電力を安定して供給してもらうことは確かに大切ですが、それ以外にも災害時に自分たちで賄うことができる電力がないと、先の震災のときのように多くの犠牲者を出してしまう可能性があるからです。そこで、岩手県では、大規模災害などによって電力会社の電力システムが止まってしまったときに、一定の電力を供給することができるシステムとして太陽光発電などの自然エネルギーの促進をずっと行ってきました。そのため、特に被災地域の多くでは太陽光発電の設置が広がっているという背景が存在します。現実的な政策でも、岩手県では被災家屋等に対して太陽光発電のシステムを設置するケースでは、経費に対して予算の範囲内で補助金を出すようにしています。これは、2019年現在においても有効であるため知っておく必要があります。また、こういった背景が存在するため太陽光発電に関連するトラブルが生じないように、設置業者に対しても環境や地域住民に配慮した取り組みを行うように促しています。基本的に、岩手県では積極的な条例を作って太陽光発電の業者を制限するようなことはしていません。そのようなことをすると、事業全体が委縮してしまって再生可能エネルギー関連の産業が縮小してしまう可能性もあるからです。しかし、自主的に環境や地域住民へ配慮した活動をするようには求めています。どういった形で設置するのか、あるいは最善なのかを配慮しながら設置することを自主的に求めています。ですから、広い地域で業者と住民のトラブルもなく安全に太陽光発電の産業を拡大することができているのです。