北海道の太陽光発電の現況(2019)
日本の最北端に位置する北海道は、およそ83500平方キロメートルと日本で最大の面積を誇ります。都道府県別面積ランキングでも2位の岩手県から8位の青森県までの合計面積と匹敵するほどの広大な土地を有していますが、可住地面積はおよそ22000平方キロメートルと総面積のわずか26パーセント程度で、人口密度も1平方キロメートル当たり70人と、東京の6015人と比較してわずか86分の1と全国で最下位に甘んじています。太陽光発電に関しては、北海道は函館周辺の南部を除きほぼ全域が亜寒帯気候で降水量は全国的に見ても少ないものの、冬には大量の雪が降り日照量も年間1685時間と全国でも下位にランクされているため向いていないと考えるのが一般的です。しかしながら、冬はパネルに雪が積もってしまうため発電力は低下しますが、十分な発電量に必要なパネルを設置できる広大な土地があるため全く不向きとは言えず、また、たとえ雪が降ったとしても全く発電しない訳ではありません。更に、帯広を中心とした十勝平野は冬でも降雪量が少なく、「とかち晴れ」と言われるほど年間を通して晴天率が高いため、太陽光発電に適した地域でもあります。実際に、その広大な土地を利用したメガソーラーは現在90施設を超えるなど、他の都道府県を圧倒する設置数があることが北海道における太陽光発電の現況です。特に札幌から南へ50キロほど離れた苫小牧周辺は太平洋沿岸にあって日射量が豊富な上、工業地帯でもあることから電力需要は大きく、太陽光発電の立地条件のひとつでもある送配電網も整備されているためメガソーラーの設置数も多くなっていることが特徴です。同地域には国内最大級の発電規模を誇るソーラーシステムが既に稼働しており、年間発電量は約1億1千万キロワットと一般家庭の約3万世帯分の年間電力消費量に相当する電力を供給しています。今後は豪雪地帯用に特別な高さを持つ架台や、傾斜によって雪を滑り落とす北海道ならではの設備開発に取り組むことが北海道における太陽光発電の課題となっています。