長野県の太陽光発電の現況(2019)
長野県は東京の西側内陸部に位置する県で、日本でも数少ない海に接していない内陸県です。およそ13600平方キロメートルと国内でも5本の指に入るほどの広大な面積があるものの、北アルプスや飛騨山脈、明石山脈などの大規模な山岳地がそのほとんどを占めているため、可住地面積はおよそ3300平方キロメートルと総面積のわずか24パーセント程度まで縮小されています。しかしながら、緯度は高いものの山間部を除いた地域の年間降水量が少ないことや、高地であるため夏場に気温が上がりにくいという特性を持つことから太陽光発電には適した地域で、都道府県別の発電量比較ランキングでは平均発電量1427キロワット、平均発電稼働率およそ16.3パーセントと、山梨県に次ぐ全国2位の実績を誇ります。長野県としても再生可能エネルギーの導入を率先して進めており、飯田市や松本市、佐久市などを中心におよそ19ものメガソーラー施設を設置するなど、太陽光発電はその事業を牽引しています。これらのメガソーラー施設における総発電量はおよそ44メガワットにも及び、一般家庭の約1万5千世帯分に相当する年間発電量を供給可能としました。更に、諏訪市の霧ヶ峰にも大規模メガソーラー設置計画があるなど県として太陽光発電の普及拡大に取り組んでいますが、その反面、長野県の持つ豊かな自然環境の破壊に繋がるとして県民や環境保全団体などから建設反対の声も上がっているのも事実です。現在は、太陽光発電事業の拡大と共に、規模や設置場所に応じた環境影響評価条例や県立の自然公園条例、景観条例の対象にするなど自然環境への影響を極力少なくするように開発検討しているというのが長野県における太陽光発電の現況です。更に、本事業を適正に推進するための市町村マニュアルを作成し、地域と調和した事業が実施されるように県内各地で説明会を開催するなど、県と市町村が協力して太陽光発電の推進を図っています。