もしもニュージーランド政府が木材市場を運営したら(2020 令和2年)
日本と同程度の面積の国土におよそ500万人が暮らすニュージーランドは、手つかずの自然が残されています。そのため酪農と並び林業は盛んで、世界中に木材を輸出しています。ニュージーランド政府が木材市場を運営したら、自慢の木材を並べるに違いありません。
鳥のキウイなどニュージーランドには固有の動物がいることは知られていますが、実は固有の樹木もあります。インパクトが強いのはカウリという巨木です。先住民族からは森の神と呼ばれている木で、2000年以上も生きる個体があります。生長はとても遅いものの、長い時間をかけて育つから50メートル以上に育ちます。簡単には伐採できませんが、切り倒さなければならなかったものがあったら、ニュージーランド政府が市場に出すかも知れません。
カウリの幹に傷がつくと、他の多くの樹木と同様に樹液を出します。これが化石化したものがカウリガムで、宝石の扱いで取引されています。琥珀の一種でありますが、ニュージーランドでは巨大なカウリガムが採れるためインパクトがあります。政府が運営する木材市場でも副産物として取り扱う可能性があります。
ニュージーランドは、広く建材として扱われているラジアータパインを輸出しています。原産は北米ですが、輸入されて植樹されています。生長が早くおよそ20年で20メートルから30メートルになり、建築などに利用可能になります。節が少ない部分の加工が容易であることが、人気の理由の一つです。実は建材として利用する場合、防腐処理されることが多いです。ニュージーランドは木材保存が盛んなので、防腐処理をした状態で市場に出す可能性が高いでしょう。
ニュージーランドは人口が少ないながら、酪農や観光、林業の分野で存在感を放っています。なのでニュージーランド政府が木材市場を運営したら、徹底的な効率化を図ると考えられます。とくに少人数でも運営できる体制づくりにエネルギーを注ぐでしょう。