もしもアイスランド政府が木材市場を運営したら(2020 令和2年)
アイスランドは2008年の世界恐慌の際に致命的な打撃を受け、そこから様々な生産業を中心に経済を立て直した実績を持っています。それ以前は金融取引に依存すると言う非常に不安定な国家運営を続けてきた経緯がありましたが、その金融取引による大打撃を受け近年では非常にバランスのとれた経済運営を行っているとともに、様々な金融取引のリスクを十分に認識している国でもあります。そのため、アイスランド政府が木材市場を運営した場合、様々なリスクを十分に見込みながら最適な予測を行い、市場の取引の制御を行うと考えられ、非常に安定した木材市場の取引状況が実現されると考えます。
木材市場は様々な取引を行いながら、同時に生産予測も行われる非常に難しい市場でもあります。木材の生産はその種類によっても異なりますが、数年から数十年かかる場合もあり、その未来を予測して植林を行わなければいけない点が重大です。そのため目先の取引だけでなく、数年後から数十年後の市場の動向を見越して植林品種を決めなければいけない問題が生じ、これを的確に実現するためには様々なデータをもとに将来の売れ筋の品種を予測する必要があるのです。これはアイスランドが過去に経験した金融取引の大暴落による多大な損失の経験を踏まえ、現在は非常に長期的な予測を立てて経済活動を行っているアイスランドに適したものとなっています。
さらに木材市場の難しさは必要なものがすぐに生産できないと言う点です。特に急激な住宅ブームや木造建築のブームが到来した際にはこれに対しての準備ができないため、ビジネスチャンスを失ってしまうリスクも考慮しなければなりません。これに対応するためには、様々な種類の木材をバランスよく生産し続けなければならず、現在の国際金融取引における様々な状況変化に対応する能力を持っていないと実現できないものでもあります。アイスランド政府は経済危機を乗り越え現在の国づくりを行った実績から、これらの問題も解決することができると考えられるのです。