もしもデンマーク政府が木材市場を運営したら(2020 令和2年)
ユトランド半島と多くの島々からなるデンマークは、酪農を中心とした農業が盛んな国です。
バターやチーズなどの乳製品は世界的に毛有名で、他にも食肉加工も重要な輸出品となっています。
また農業と同じく工業もデンマークでは重要な産業で、造船業や製造業は盛んに行われています。
現在のデンマークにとって主要な産業は農業と工業なので、木材市場と深い関わりがある林業の地位は低いです。
林業の地位が農業や工業と比較して低い理由は、森林面積が国土の約14%しかないことを挙げられます。
首都のコペンハーゲン近郊、ユトランド半島の西岸などには豊富な森林資源がありますが、あくまでも国土の一部となっており産業を支えるほどではありません。
しかし盛んではないとは言え林業もデンマーク国内では行われていて、年間350万立方メートルの生産量があるとされます。
日本では木材生産と言えば、伐採されたあとは木材市場に搬入され原木として売られるイメージでしょう。
ですがデンマークでは、生産された木材の半分程度はバイオマスエネルギーとして使われます。
地球の温暖化が問題になるにつれ、注目を集めているのが再生可能エネルギーです。
木材を原料とするバイオマスエネルギーも太陽光や風力などと同じく注目を集め、特にヨーロッパでは新しいエネルギーとしてシェアが増えつつあります。
もしデンマーク政府が木材市場を運営したら、これまで以上にバイオマスエネルギーに力を入れるかもしれません。
デンマーク政府も他のヨーロッパ諸国と同じく、観光保護政策に力を入れています。
木材市場をデンマーク政府が運営することにより、さらにバイオマスエネルギーの普及・促進を進めることができるので、シェアが急拡大する可能性があります。
また世界でも注目を集めるバイオマスエネルギーの原料としてデンマークが注目されれば、政府が運営する木材市場の取引量が増えて、輸出品の中で林業関係が急拡大する可能性もあるでしょう。