消費税10%時代における木材輸出事業の智慧
消費税10%時代は国内消費だけでなく海外の輸出にも様々な影響を及ぼす事になります。日本国内では海外取引に関しても販売を行った場合には消費税10%が適用されることになっており、そのために現在に比べてその売却価格がより高くなることになってしまうため、国際的な競争力を失ってしまうと言う懸念があるのです。これは国内的な政策であり取引の平等性を期すためにやむを得ないことなのですが、販売を行う立場にとっては状況が悪化したと考えざるを得ないものとなっています。
一般的に国際競争力をつけるためには価格を安くしなければならないと言う風潮がありますが、この方法が必ずしも得策ではありません。その理由は現代の産業は品質が非常に重要視されているため、販売価格を低下させる事は様々なコストを圧迫することにつながり、特に品質管理の面で大きな影響を及ぼすことがわかっています。そのため、安易に価格を低下させるとこれが進出に多大な影響を及ぼし、その意味での競争力が低下してしまうと言う連鎖を招くことになるのです。
林業でも同様に、木材輸出事業に与える影響が大きく、消費税10%時代に対応する智慧が求められています。しかし、これは安易に価格を引き下げると言うことではなく、さらに品質を高め競争力をつけるきっかけとなっているのです。近年では林業においてもIoTが進み、システム的に木の生育を管理し、また品質をチェックする試みが様々なところで行われています。従来は職人の経験とカンで適切な樹齢に達した木を加工していましたが、その中にはまだ若すぎたりあるいは伐採のタイミングを逃してしまったと言うことも多く、その品質が均一ではないと言う問題もありました。そのため、消費税10%時代を迎えるにあたりさらに価格に見合った高い品質を持ってその利益性を高める戦略が様々なところで行われています。消費税10%時代の木材輸出事業の智慧とは価格の高さを広く認めさせる品質の維持管理がポイントとなっているのです。