フィンランドの太陽光発電事情(2019)
フィンランドは北欧に位置する国であり、森林が多く自然豊かな場所になっています。そして、北欧はヨーロッパの中でも二酸化炭素の排出に注視していて、化石燃料による発電方式が全ての発電量に対する割合が低いという特徴があります。そのような事情と北欧独特の太陽が沈まない白夜が存在するという理由から太陽光発電が盛んに行われているという印象がありますが、実際はそれほど高い割合では利用されてはいません。
フィンランドの発電方法で多いのは原子力と水力、そして豊富な森林資源を活用したバイオマスです。実はフィンランドは気候的に寒冷地というのもありますが、工業が発達した地域でもあるために大容量の電力を必要としていて、太陽光発電のように大量に発電できないシステムは利用価値が低くなっています。そのため家庭用よりも産業用で電気が多く使われていて、再生可能エネルギーの普及が高いのは間違いありませんが、安定して確実に電力を得られないものは使いにくいという事情があります。
太陽光発電は光源があれば発電してくれるシステムであり、白夜があるフィンランドは最適な場所と言えるでしょう。しかし、太陽光発電で得られる電力では全く足りないという国の事情から、普及が広がりにくいという場所でもあります。また、フィンランドは発電と共に寒さに対応するための発熱であるヒーティングへの利用が多くなっていて、ヒーティングでは多くの電力を継続して使用するので確実性の高い発電方法を優先しているという結果です。
原子力発電は世界的に見ても減少傾向にありますが、二酸化炭素の排出量を無くすことを国策としているフィンランドでは、その割合が現在でも多いのは仕方がありません。ただし、自然エネルギーに対する注目度は高くなっているので、今でも多い水力発電に加えて風力や太陽光での発電方式の割合が増加するのは間違いありません。後は設備がどれだけ普及するかによりますが、太陽光発電による電力量は将来的に増加していくでしょう。