オーストラリアの太陽光発電事情(2019)
オーストラリアはここ数年再生可能エネルギーよる発電に力を入れていて、その中で広大な用地と年間の日照量の多い太陽光発電が、石油や石炭と言った化石燃料を利用する発電所を2024年までに50%まで減らし、2032年までには100%再生可能エネルギーになると発表されました。
その中で太陽光と風力が発電に使われますが、2019年度に各種の太陽光発電プロジェクトが発表され、その中で最も大規模な太陽光発電建設がオーストラリア南部の地域で始められています。
発電所の出力は150メガワットあり、1,100メガワット時の電力量を貯めることができる蓄電施設を持ち日没後でも23万世帯に8時間電気を供給出来る施設となっています。
これは南オーストラリア州の全世帯の35%の電力量に相当する量で、これと同等かそれ以上の設備と風力発電をオーストラリア国内に建設し2032年までに100%の発電を再生可能エネルギーに置き換えることになります。
この発電所の大きな特長は、塩を使った大規模な蓄電システムを同時に建設することで夜間でも電気が供給出来ることです。
発電は出来ても、電気を貯めておかないと夜間は使用出来ないのが太陽光発電の大きな欠点でしたが、これを補うことで本格的な太陽光発電になります。
この他にサウスオーストラリア州内の5万戸に太陽光パネルと蓄電池を無償で提供して、それらの住宅を太陽光パネル網で繋ぎ、巨大な太陽光発電として機能させることを2018年度からテストとして行い、2019年度は5万戸の家が発電した余剰電力を3万戸の住宅に供給することになっています。
太陽光で発電した電気を海外に輸出する事業も発表され、3800キロの海底送電線を使ってシンガポールに電気の輸出を行うことが決まりました。
10ギガワットの発電量と電池貯蔵システムにより、シンガポールの電力需要の5分の1を賄うと言う一大プロジェクトの建設も発表されています。
2019年度オーストラリアの太陽光発電事情は大規模なプロジェクトが決定し、オーストラリアの太陽光発電が本格化した年となっています。