イタリアの太陽光発電事情(2019)
イタリアは、日本と同じく石油や石炭などのエネルギー資源の乏しい国です。
そのためクリーンなエネルギーとして、原子力発電を推進してきました。
しかし国民投票により原子力発電にノーが突きつけられ、現在は停止する事態に陥っています。
現在のイタリアは、火力を中心とした電源構成のままです。
原子力発電を推進した結果使えなくなり火力に依存している状況は、日本と同じと言っても良いでしょう。
しかし日本とは違い石炭火力発電所は2025年までに閉鎖する計画で、メインとなっているのはガスによる火力発電です。
また再生可能エネルギーの割合も飛躍的に増えており、石炭火力発電所が閉鎖する2025年までには55%にまで引き上げる計画もあります。
イタリア国内で飛躍的に増えている再生可能エネルギーの中で、特に目立つのが太陽光発電です。
2011年から2016年の5年間に太陽光発電は651万キロワットも増加しており、イタリアで発電される電力の8%にまで達しています。
このまま太陽光発電の普及が進めば、将来的にはもっと伸びる可能性があります。
イタリアは南北に長い国で中心にはアペニン山脈もあり、沿岸部は観光地として開発され発電所に最適な立地が限られてきました。
そうした事情があるため火力発電も、地元の同意を得やすい環境への負荷が比較的低いガス火力がメインとなっています。
太陽光発電は、火力発電よりも環境に優しい再生可能エネルギーです。
これまで苦労していた地元の同意を得るまでの課程が楽になれば、想定以上に速いスピードでイタリア国内に太陽光発電が広まっていく可能性はあるでしょう。
同じように原子力発電が使いにくくなっている日本では、遅々として再生可能エネルギーが普及しません。
これから太陽光発電所を普及させていこうとしているイタリアの政策は、さまざまな事情により再生可能エネルギーに転換できない日本にも参考になる部分が多くあるかもしれません。