中国の太陽光発電事情(2019)
中国は、太陽光発電にとって重要な国です。
太陽光発電に必須なモジュールの多くは中国で生産されていて、日本国内でも一定のシェアを獲得しています。
世界的にも重要なモジュールの生産地なので、海外にも大きな影響を及ぼしています。
重要度が高いのはモジュールの生産だけではなく、電力の消費に関しても同じです。
世界で最大の人口を誇る国ですから、他の市場とともに太陽光発電でも期待されています。
そうした事情から中国は、太陽光発電の導入量で世界のトップを獲得してきました。
日本はもとよりアメリカやヨーロッパを凌ぐ勢いで導入が進められたので、注目を集め続けたのは当然とも言えるでしょう。
今後もこの勢いが続けば、中国も環境先進国の仲間入りを果たすのではと思われていたほどの勢いです。
しかし2019年に入り、中国政府は一つの方針を打ち出します。
それが補助金の有無を明確に線引きする方針で、これからは国の支援を受けられないプロジェクトも増えることが予想されます。
そのため導入のスピードが鈍化すると考えられており、中国での太陽光発電市場も縮小するのではと言われています。
また生産するモジュールについても、シェアは縮小するのではとされています。
中国とアメリカは現在貿易戦争の真っ最中で、モジュールに関しても大きな影響を受けました。
そのためモジュールの生産を縮小する工場も増えており、中国国外での生産に切り替える企業も増えるとされます。
生産が他の国に切り替えられると、国際的な競争力も落ちてしまうでしょう。
生産に関わる人件費も以前のように抑えられなくなり、海外企業にとっては他の国で生産した方がコストがかからないケースも増加中です。
これまでは生産・消費ともに世界の太陽光発電市場をリードする立場でしたが、これからは他の国の後塵を拝してしまうかもしれません。
ですがそれでも有数の市場規模を誇る国なので、今後も一定の影響力は保ち続けるでしょう。