イスラエルの太陽光発電事情(2019)
中東のイスラエルには、現在世界でも最大規模の太陽光発電所が建設中です。
太陽光発電所が建設されているのは、イスラエルの南部にあるネゲブ砂漠にあるソーラーバレーです。
この地には3つの太陽光発電プラント、世界で最も高いソーラータワーと排水処理プラントの建設が進められています。
計画によると2020年までに、この場所からイスラエル国内で使われる電力の10%を生み出すとしています。
現地で建設されている太陽光発電所の一つは2つのプロジェクトで構成され、121メガワットの電力を生み出すシステムとソーラータワーです。
発電システムは50万機のパラボラミラーを使って6万個に電力を供給する計画で、年間24万5,000トンもの二酸化炭素の排出削減が可能とされています。
車5万台分にもなる二酸化炭素の排出削減効果は、環境への負荷も大きく減らすことが期待されます。
砂漠に建設するシステムである以上、気になるのは清掃です。
パラボラミラーに埃が付くと期待通りに発電できないため、清掃システムも重要なポイントになります。
この問題を解決するために週2回清掃するシステムを作り上げ、安定的な供給ができるとされています。
二つ目のプロジェクトである世界一のソーラータワーは、ソフトウェアにより5万機のミラーを制御し太陽の動きに合わせて制御する計画です。
ミラーによって集められた太陽光は最上部に集められ、水を沸騰し下部にある部分で発電します。
従来の太陽光発電所は、ソーラーパネルを並べるだけでした。
しかし大規模なパラボラミラーやソーラータワーを使う発電システムは、従来よりも一歩進んだ近未来的と言えるでしょう。
この他にも脱塩施設や排水処理システム、35メガワットの太陽光発電所などソーラーバレーを標榜するだけある設備ばかりです。
希少な植物を移植したり夜行性動物にも配慮する事情も相まって、環境に優しいイスラエルの太陽光発電所と言えるでしょう。