三重県志摩市におけるコインランドリーの現況(2019・令和元年)
三重県志摩市は紀伊半島の南東端に位置し、伊勢湾に面した地域です。この一帯はリアス式海岸と呼ばれる入り組んだ入江が点在しており、太平洋と繋がっていながらも波が穏やかな海になっています。漁場にするには絶好の場所ということもあり、明治時代から真珠の養殖や素潜り漁・鯛の養殖など漁業が盛んです。2019・令和元年の三重県志摩市のコインランドリーの現況は、1981年に総務省が開始した各サービス業の調査報告にあるコインランドリー店の項目と比べると、約62%増加した計82店舗が現在志摩市にあることがわかります。各コインランドリー店の運営形態は無人店舗が55店ともっとも多く、次いでクリーニング店に併設されているものが20店、残りが宿泊施設等の業務専用有人コインランドリーとなっています。人口が約2万人の三重県志摩市で、コインランドリーが計82店舗もの数であるのは密集しすぎているとも考えられますが、これはこの地域の気候が大きく関係しているといえます。三重県志摩市は太平洋が眼前に広がっている市で、後ろには標高1000m級の紀伊山地が市を囲むようにしてそびえ立っています。常に太平洋から暖かく湿った空気が入り込み、その空気は紀伊山地にぶつかって雨雲を発生させることになります。すると志摩市には発達した積乱雲による雨が降り注ぐので、屋外に洗濯物を干すことが難しくなりコインランドリーの利用者が必然的に多くなるという訳です。気象庁によると、三重県志摩市は国内随一の降水量を誇る場所とも正式に表明しているため、今後もコインランドリーが減るということは考えにくいでしょう。ただし、昨今では洗濯機に乾燥機機能も備わった機種が多く登場していることから、一般利用者の数は少しずつ減っていく可能性もあります。2019・令和元年以降のコインランドリー店の動向は、一般客の利用を継続させるための秘策として、料金の引き下げや付加価値サービスを用意することで生き残り戦術を見つけ出せることでしょう。