東京都のコインランドリーの現況(2019)
コインランドリーとは洗濯機を自宅で所有していなかったり、所持していても洗濯物の種類によって所持している洗濯機では洗えない場合、使用料を支払って洗濯を行なう施設を言います。一般的には大きさや洗える物の種類が違う複数の洗濯機と、乾燥するためのランドリーが併設されていて、無人で24時間営業しているのが基本的な営業スタイルになっています。
コインランドリーができた理由は、銭湯に隣接した建物に入浴中に来ていた衣服を洗濯するために作られましたが、現在のように各家庭に洗濯機を所有できない頃は、手洗いでは対応できない人が利用するために急増していきました。これは東京都が経済成長に伴って地方から多くの人が転居するようになり、集合住宅に個人で所有する洗濯機を置く設備がなかったことがコインランドリーの増加の理由になっています。ただ住宅環境が向上すると洗濯機はどこでも設置できるようになり、銭湯も自宅で風呂が設置される割合が高くなったことで利用客が減少し、コインランドリーの数もそれに比例して少なくなっていきました。
ところが現況では、東京都におけるコインランドリーの数は増加傾向にあります。集合住宅でも高い確率で洗濯機を所有できるようになったのに疑問に感じるでしょうが、そこには理由が存在しています。現況では以前のようなコインランドリーだけの専門の施設で運営しているところは少なくなっていて、別の施設での待ち時間を利用して洗濯をするために作られるようになっています。飲食店やコンビニエンスストアがその代表例であり、本来の目的を実行するのに時間が必要になるため、その時間を使って自宅では洗えない衣類などを洗うという目的に利用しているのでしょう。これは以前であればクリーニング店に出さなければいけなかった衣類も、洗濯機で洗えるようになったことが理由になっています。
この別の目的を行なうために時間が必要であり、その時間を使ってコインランドリーを活用するという傾向は続く可能性があります。