奈良県のコインランドリーの現況(2019)
奈良県の人口は約135万人ですが、その人口の9割り近くの約120万人が奈良盆地に居住しています。特に過去と見て人口増加が著しい地域には、1970年代から80年代にかけて盛んに建設されたニュータウンがあり、その多くの人が大阪方面への通勤者となっており、このため多くの地域では大阪のベッドタウンという位置づけにあります。現在でもこの傾向は同様ですが、それまでのニュータウン開発から駅前近くのマンション開発にシフトしています。コインランドリーの利用者層としては、主にその地域に住んでいる人の事情によって需要が左右されるものですが、一戸建てが中心のニュータウンでは、あまり利用者を獲得できるものではないため、奈良県の場合にはその設置件数は他県と比べると多くありませんが、近年のマンション建設の増加によってコインランドリーの設置件数は増加傾向にあります。
コインランドリーの利用者層として多いのはアパートやマンションなどの集合住宅が中心になります。理由としては夜間に洗濯することが出来ない場合などで、また一人暮らしの場合にはまとめてコインランドリーで洗濯した方が費用を抑えられるためです。奈良県でも大型のマンションが鉄道沿線に多く建設されるようになり、その周辺を中心にコインランドリーが多く見られます。特に需要の大きい地域では、洗濯乾燥機の設置台数が多い大型のコインランドリーも見られます。一方で郊外型のものでは、比較的規模の小さなコインランドリーが中心です。現況では、奈良県のように人口密度が低い地域では利用者層を獲得しにくいのが実状ですが、一定のニーズが存在することも事実になります。特にコインランドリーでは一度、設置すればメンテナンス費用を除けば従業員を常駐させる必要がないため、経営していくランニングコストも小さくて済みますし、24時間365日営業することもできるものです。この点でマンション建設等によって人口密度が高まる地域での新規開店は増えていく可能性があります。