宮城県のコインランドリーの現況(2019)

宮城県は東北地方の中心都市に位置していて、行政だけでなく経済でも東北地方を牽引する立場にいます。人口も一番多くなっていますが、元々が農業と漁業を基盤に行っている土地柄のため持ち家も多く、コインランドリーは人口が急増して賃貸物件を住居にする割合が高まった頃に一気に増えましたが、それから人口増加が落ち着き単身家庭でも洗濯機の購入割合が高まると、利用客の低下によってその数を減少させていきました。コインランドリーのデメリットは、自分の専用ではないので洗濯が終了すれば次の利用者のために取り出さなければいけないことであり、この手間が煩わしいと感じる人が増えたために利用者が増えませんでした。ただ宮城県は単身で暮らす若年者が多く、ある程度の利用率があったので一定の数は維持していました。ところが現況ではその数が急増しているのですが、その要因は2011年の東日本大震災です。
この震災によって自宅に住めない人が急増し、生活する上で必要な洗濯を自宅で行えないので、必然的にコインランドリーの利用率が高まります。他にも土砂の搬出や家屋の掃除でボランティアが大勢やって来て、衣類が汚れるのですぐに洗濯をしたい人のためにコインランドリーが必要になり、需要と供給の関係でその数がとても多くなりました。
現況は復興支援も順調に進み、自宅に帰って生活できるようにもなったので、以前ほど利用率があるわけではありません。このまま対策を何も行わなければ再び利用者の低下で少なくなるのは目に見えているため、宮城県の土地柄を生かした利用方法を考えるところに来ています。地方ではコインランドリーの撤退が相次いでいますが、都会では他の施設との組み合わせによって逆にその数を増やしています。宮城県には人を集める材料が揃っていて、それを利用しないのは勿体ないとしか言えません。
地域にはその地域独特の慣習や生活リズムがあり、それをうまく活用できればビジネスチャンスが広がっていきます。宮城県もその地域ならではの方法を取り入れることで、減少傾向にあるコインランドリーを維持することができるようになるでしょう。