ルクセンブルクのコインランドリー事情(2019)
日本では多く見かけるコインランドリーですが、フランス、ドイツ、ベルギーに囲まれたルクセンブルクではあまり目にすることはありません。より効率を求める傾向にある生活に変わりつつありながら、洗濯などは家でするものという認識が強く、家電製品を売る店には沢山のメーカーやモデルの自動洗濯機が並んでいます。興味深いのは、日本のように毎日洗濯をする習慣は皆無でありながら、車を所有していなくても、またどれだけ狭いアパートに住んでいても食器洗い機と同様に洗濯機は必需品であるところです。
では、ルクセンブルクにコインランドリーは存在しないのかというとそうでもありません。鉄道のルクセンブルク駅近くに一軒あります。駅近くにはホテルなど宿泊施設も点在し、滞在期間にかかわらず需要があるためでしょう。また、新しくチェーン展開するセルフランドリーも同じく、駅からさほど離れていない場所にあります。こちらはルクセンブルク大学のあるベルバル市の商業エリアにも一軒オープンさせています。ルクセンブルク市内の店舗には10kg程度の洗濯機3台に加えて、もう少し大きめのものが2台、普通サイズの乾燥機が3台に大型が1台あります。ユニークな点は、ここで洗濯や乾燥をした後や同じタイミングでドライクリーニングやアイロンをしたい場合には、設置されたロッカーに入れておけばサービスを依頼できることです。
こうした改良が見られる一方で日本の典型的なコインランドリーよりも規模は小さく、普段の生活でコインランドリーの需要がそれほどないことを示していることに違いはありません。比較的新しいコンセプトのセルフランドリーに比べて、日本で言うクリーニング店は依然多く、こうしたところでは特殊なクリーニングやアイロンがけなどの単品に加えて重量単位の洗濯をしているところもあります。人々の生活スタイルからはコインランドリーの需要が感じられませんが、今後若い世代には受け入れられていくものなのかもしれません。コインランドリー事情から、人々の暮らしが垣間見られるようです。