サルコペニアにおける通所介護施設の利用について(考察 2020)
通所介護施設はデイサービスという観点からも需要が高まっており、高齢者の介護のサポート施設として様々な設備が整えられています。要介護状態の高齢者を送迎しながら通所の手助けを行ない、施設内ではバランスの良い食事の提供や運動機能の訓練、また各種レクリエーションを行なう事もあります。
こういった通所介護施設を利用するケースや症状は様々ですが、ここではサルコペニアにおける通所のメリットを考察していきます。このサルコペニアとは加齢よる原因などがありますが、筋肉の量が低下していく事を指しており、握力などが著しく減少する事が特徴です。ギリシャ語で筋肉という意味の「サルコ」という言葉と、喪失という意味の「ペニア」を組み合わせた言葉で、1989年に登場した提唱とされています。
サルコペニアは手すりを使用しなければ歩けないという場合も多いので、手すりなどが整っている介護施設での環境は最適だと言えるでしょう。また加齢の原因以外の種類を二次性サルコペニアと呼び、活動性の少ない生活習慣や、疾患による原因の物、または栄養摂取の不足による原因などがこれに該当しています。
まず日常の運動が少ない無重力状態を解消する事が可能となるのが通所介護施設のメリットで、施設内で運動機能のリハビリを行なう事が改善に繋がると考えられます。寝たきりの状態なら徐々に回復するようにスタッフのサポートが受けられますし、入浴や排泄の手助けも受ける事が可能です。
また栄養失調も主な要因となると指摘されていますので、通所介護施設による栄養バランスが考慮された食事というのはサルコペニアを持つ患者さんには望ましい環境でしょう。
人間の筋肉は60歳を超えると減少する割合が高まるとされており、タンパク質の不足や運動不足によって筋肉が多く分解されていき、サルコペニアに繋がるとも言われています。通所介護施設を利用して食事を充実させる事や、運動不足の解消を行なう事はサルコペニアの防止にも活用できるでしょう。