コロナ問題における木材市場の重要性について
コロナ問題を考える上で環境の問題を切り離して考えるわけにはいかず、日本においても何度もこのような疫病による経済活動の停止という事態はありました。ウィルスの蔓延を防ぐためには人の接触を断つことの重要性が問われているのです。日本において、かっては森林が地域を守るという考え方があり、温暖湿潤な気候を利用して貴重な木材資源を活用してきました。古くから森を大事にして、疫病が発生しない良好な環境をつくり続けてきたのです。木材市場が活発で、日本の環境にあった家づくりがされてきました。そこでは、密封空間をつくらないというポリシーがありました。感染学者は、コロナ問題の背景には密封された環境に問題があり、風通しが悪い空間をつくることでコロナウィルスが増殖する可能性があると指摘しています。日本の家づくりの基本は、広い空間を確保して風が家の中を通るようにすることでした。壁で仕切りをつくらず、ふすまや障子を使ったのも空間をつくることに寄与してきたのです。
最近の木材市場は低迷を続けてきており、その背景には輸入木材の利用があります。日本の家づくりに本当にあった木材を使っているかという問題もあり、今回のコロナ問題はそのことを投げかけています。密閉された空間をつくるという発想では、西洋式の家は、レンガ造りやコンクリートの密閉空間です。そこに日本式の木材を取り入れることもコロナのようなウィルス対策としては必要なのではないでしょうか。コロナの問題で一番変わったのは、人の活動自粛で環境が良くなっているという事実です。自宅における自粛を続けるにあたって、風通しの良い環境が保たれているかを考える重要性があります。日本人が大切にしてきた森林を活かした木材を使用した家づくりをする良い機会でもあると思います。コロナ問題は、人々の行動や考え方を大きく変えようとしているのです。日本の木材市場を活性化する良い機会になることが必要なのではないでしょうか。日本伝統の家づくりをもう一度取り戻すチャンスでもあります。