ネパールの木材市場の現況(2019)
ネパールは周囲を山に囲まれた国であり、インドという超大国と国境を接しています。経済的にインドへの依存が強く、また、中国がこの国に対する影響力を強めていることから、経済的な依存度も高まっています。国内は国土の殆どが山林に覆われていることから、農林業が国の主な産業であり、木材の輸出業が盛んに行われているのです。その主な輸出先となっているのが、隣国の超大国であるインドです。インドは現在好景気に恵まれており、そのために都市部を中心に建設ラッシュが続いています。そのため、周辺諸国からの木材の輸入が相次いでいます。建設ラッシュの影響から木材を大量に必要としていることから、その影響を受けてネパールの木材市場の現況も好景気に恵まれている状況です。
こうした状況から問題となっているのは、森林減少と農地転換による森林劣化です。農地開拓のためには森林を切り開かなければならないことから、森林の伐採が相次いでいます。森林保護活動が殆ど行われること無く、伐採を優先させていることで森林は急速に失われている状況です。森林が失われたことで土砂崩れが発生したりする自然災害が相次いでおり、政府は早急な対応を強いられている状況です。日本の援助機関もこうした森林の破壊について警笛を鳴らしており、現地に調査団を派遣し現状の把握や観光保護のための活動が実施されています。インドへの木材の輸出は好調であることから、経済的な余裕の佐も影響して環境保護の取り組みが後回しになってしまっているのが実情であります。もともと山岳部に位置する国であり、近年の急激な人口増加に対応するために、農地を開拓する必要があり、その結果多くの森林が伐採されているという現状があります。国土の狭さに加え、ヒマラヤ山脈に囲まれているので、農地を開梱しなければ人々が暮らしていくことができないことから、ネパールは大きなジレンマを抱えているのです。森林減少に歯止めをかける必要があります。