ブーベ島の木材市場の現況(2018)

南大西洋の亜南極に位置するノルウェー領の火山島「ブーベ島」は、居住者のいない(2016年現在)無人島です。最も近い陸地の南極大陸とは1600qも離れています。世界で最も隔絶した孤島といわれ、島には無人の気象観測所がある程度です。ノルウェー領になってはいますが、ノルウェー王国の一部ではなく属領に位置づけられ国際標準機構が定める国名コード「BV/BVT」を与えられています。孤絶した無人島といわれながら、アマチュア無線やインターネットなどでは国に準ずる地域として扱われてもいます。ブーベ島は1739年1月1日にフランス東インド会社のジャン=バティスト・シャルル・ブーヴェ・ド・ロジエによって発見され「ブーベ島」の名前は発見者であるジャンの名前に由来しているのです。しかし、島の位置は計測が不正確でブーヴェが報告をした地点に調査に向かった人たちには島影を確認することはできませんでした。そのため、氷山を島と誤って誤認報告したと結論づけをされてしまった経緯があります。1950年代から1960年代にかけて南アフリカ政府から気象観測拠点として関心も寄せられましたが、気象条件が厳しすぎるので断念されてしまったのです。その後、1971年にはブーベ島とその領海は自然保護区に指定され、1977年にノルウェーが無人の気象観測拠点を設置しました。そのような歴史的経緯と厳しい自然環境を持つブーベ等の木材市場の現況は発表されていないのが現状です。ブーベ島はサウスジョージアやサウスサンドウィッチ諸島、サウスオークニー諸島などと同様にスコシア海諸島のツンドラ・エコリージョン生態域に分類されている上、厳しい気候や氷に覆われた地形と暴風が吹き荒れている環境下にあるので確認されている植生はコケ植物に限られ樹木は育たない土地とされています。1971年に発令された王国令のよって島全体が自然保護区にも指定されているので、木材市場の現況は変えようがないのが実情です。

 

トップへ戻る