門真市における木材市場の現況(令和2年 2020)
大阪府の東部に位置する門真市には府立木材市場東部センターがあり、主に滋賀県の比叡山系と奈良県の生駒山系で伐採された木材を取り扱っています。2020年上半期の門真市の木材市場の現況は、約180万トンと取り引き高となっています。この数値は前年の同時期と比べると約40%ものマイナスとなっており、海外向け取り引きが低迷していることがマイナス要因といえます。門真市に木材市場が設置されたのは1992年で、1989年に木材自由貿易が解禁されたことを受けての設立となりました。府内にある計8か所の木材市場の中で2か所しかない海外輸出取り引きを可能にしている市場であり、取り扱っている総量の約80%が海外輸出向けの木材です。主にベトナム・カンボジア・マレーシア・シンガポールといったアジア諸国との取り引きがなされており、年間約14億円もの貿易収益を上げていました。ところが2020年2月以降、中国から欧州で新型コロナウイルスが大流行し出し、アジア各国でも流行を懸念してロックダウン(都市封鎖)がなされました。これにより航空機並びに船舶を使用した貿易も全面規制がなされたので、門真市の木材市場でも貿易対象国との取り引きが停止することとなりました。しかし、6月以降は各国ともにロックダウンを解除して経済活動を再開する見通しとなっており、木材取り引きも正常化することでしょう。門真市の木材市場も2020年下半期は例年通りの取り引き高となり、マイナスから一転してプラス域へと収益を伸ばせると予測します。この市場で取り扱っている木材はカシ・ケヤキ・クリの3種類で、カシに至っては年間90万トンもの取り引きをなされています。比叡山系で産出されるカシは耐久性に長けているため、住宅用建材として重宝されているものです。2020年以降の門真市の木材市場の動向は貿易の正常化が鍵を握っており、再び黒字収益を上げるためには約200万トンの取り引き高を越えられるかに掛かっています。