中野区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

中野区は東京23区の西部に位置しており、武蔵野台地の一角を形成しています。新宿区に隣接し、鉄道やバスなどの公共交通機関も網羅されているため利便性が高く、首都圏のベッドタウンとしての一面ももっています。面積は15.6キロ平方メートルで東京都の区部面積の2.51パーセントとなっており、23区中で14目の広さがあります。区内には神田川や善福寺川などの5河川が流れており、地層は表面が多量の腐葉土を含む黒土層に覆われているため樹木の生育に適した土壌となっていますが、住居系用途地域がおよそ78パーセントと大半を占めており、ある程度まとまった規模の森林と呼べる地域は哲学堂公園や平和の森公園、江古田の森の他、駐車場や宅地整備に伴う植栽地の増加など小規模なものがほとんどです。更に、宅地面積の拡大により草地を始めとした樹木も減少傾向にありますが、区では樹木や樹林の保護指定制度を設けると共に、区域と期間を定めて区と住民が一体となって緑化を進める「緑化推進モデル地区」制度や、区と事業者の間で緑化の推進に向けた協定を無鈴「みどりの協定」制度を設けています。これらの制度により森林面積はおよそ11万平方メートルまで増加しましたが、木材の算出に至るまでは到達していません。中野区の木材市場は武蔵野市と中野区の市場が合併し継承されたもので、各種木材の販売及びプレカット加工、木材の輸送などを行っています。主な販売先は都内の木材加工会社や住宅用材木店で、国産木材および外国産輸入木材が主流にヒノキやヒバなどの構造材や内装材を多く取り扱っており、現況としては比較的活発であると言えます。今後は、将来の望ましい緑地配置を定めるとともに、森林の保全と創出、また緑化活動などを総合的かつ計画的に推進していくことを目的として策定された「中野区みどりの基本計画」に基づき、「自然の息吹を感じ環境と共生するまち」をテーマに掲げ整備を続けています。

 

 
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