埼玉県の桐の取引状況(2019)

 

埼玉県は関東平野の西部にある内陸県で、海には接していないのが特徴です。県の中央から東にかけては台地や低地が広がっていますが、中央より西部には山地や丘陵地が多くあります。西には秩父山地と呼ばれている山深い地域があります。そんな埼玉県の森林面積は全体の32パーセントで、広さは21,260ヘクタールです。森林面積のうち国有林は12,169ヘクタールあり、民有林は109,091ヘクタールです。民有林の半分程度は人工林で、スギやヒノキが多く産出されています。そんな民有の人工林の面積は面積は57,408ヘクタールです。ちなみに国有の人工林の面積は2,452ヘクタールです。
埼玉県には桐を使った伝統工芸品を製造している地域があるため、取引状況は比較的多いのが特徴です。県内では木目込人形や箪笥・箱のほか、押絵羽子板や雛人形などがつくられています。特に春日部桐箪笥は昔から知られている工芸品で、この地には日光東照宮の造営にも携わったという名匠の技が伝承されているのが特徴です。また春日部桐箱は、県の伝統的手工芸品にも指定されている春日部市の特産品で桐箪笥とともに約300年という伝統の技を使って作られています。そのほかにも埼玉県の岩槻市や春日部市には、桐を彫って作る江戸木目込人形を作っている工房があります。さらに所沢市には所沢人形の押絵羽子板が作られていたり、岩槻市では岩槻人形のひな人形が作られていたりもします。江戸木目込人形や春日部桐箪笥は、国指定の伝統的工芸品で、一定の要件が満たされているため経済産業大臣によって指定されました。所沢人形と岩槻人形は埼玉県に指定されている伝統的手工芸品です。これらはどちらも桐が使われているのが特徴です。
もともと福島や新潟などの東北地方で産出されることの多かった桐の生産量は全国的に減少し続けていますが、それは埼玉県でも同様です。秩父木材は飯能の西川材とともに江戸時代からの有名な産地ですが、スギやヒノキを多く産出しています。

 

 
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