鳥取県の桜(の木)の取引状況(2019)

 

桜の木は日本を代表する世界的なもので、今や日本の春を連想させる木として定着しています。
鳥取県も桜の木で知られる県の1つで、毎年県内の各地で開花する桜が楽しまれます。
例えば打吹公園は名所として有名ですし、日本の桜名所100選にも選出されているほどです。
一方、袋川桜土手は川沿いに咲く様子が印象的で、こちらも鳥取県を代表する名所に数えられます。
一番人気といえば、やはり鳥取城跡・久松公園に咲く200本以上の桜でしょう。
ぼんぼりが設置されたり屋台も出ますから、県内外から多くの人達が集まって賑わいます。
このように、鳥取県は観賞で親しまれる文化が根づいていて、その理由には各地に名所があるからだといえます。
鳥取県における取引状況に目を向けると、主要産業ではないので決して出荷量は多くありませんが、しかし一部は流通している状況です。
桜は観賞用のイメージが強いですが、落ち着きを感じさせる上品な肌目や、丈夫で加工しやすい特徴を併せ持ちます。
切ったり形を整える加工が容易な上に、着色性に優れていて色づけしやすいなど、工芸用途に向いているといえるでしょう。
建築や家具といった分野での需要が高く、楽器にも使われることがあるので、そういう分野でも求められている木材です。
いわゆる造作や彫刻にも用いられていますから、改めて考えると桜の用途は幅広く、全国規模で考えると思った以上の取引状況が想像できるはずです。
鳥取県に限定すると少数ですが、それでも需要は間違いなくあるので、出荷よりも入荷して市場に流通する方が多いと思われます。
日本人に親しみやすい香りは燻製で使われますから、加工済みのスモークチップも人気です。
長年にわたり毎年咲いて人々を楽しませてきた種類なので、切ったり加工して使うのは少々可哀想なところがあります。
ただ、増え過ぎて困っていたり、寿命を控えて後は枯れるのを待つだけという木を思えば、切って有効に活用するのが合理的です。
鳥取県においても、取引状況で確認されるような流通については、こういった理由に基づいて市場に出回るものが少なくないです。

 

 
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