岡山県の赤松の取引状況(2019)

 

岡山県は瀬戸内海と接している事もあって、中国及び四国地方のエリアのなかでも最も交通機関が発達しています。
気候に関しては降水量が少なく、日照時間が長い特徴から「晴れの国おかやま」と呼ばれている事で有名です。かといって瀬戸内海の名物でもある風力が0になる凪やフェーン現象のおかげで暑さは抑えられており、また吉備高原とその近郊は中国山地に近い影響もあって降水量は比較的多いところがあります。特に平野地帯がある南部は瀬戸内海式気候、中国山地が連なっている北部は日本海側気候といった具合に明確になっているのが特徴的です。つまり全体的に快適な晴れの日が多いものの、北部は冬になれば豪雪地帯に変わる事を意味しています。
そんな岡山県は旭川と高梁川、そして吉井川の一級河川と中国山地が元になっており、県の面積の70パーセントは森林です。その3分の1は土砂崩れを防ぐため、あるいは自然の機能を維持するための保安林となっています。天然林であれば楢やクヌギが、人工林であればヒノキと杉が主です。赤松は人工林の樹木として分類されており、その数はヒノキや杉と比較すれば圧倒的に少ないと断言できます。
しかし全く価値がないわけではないです。
実は岡山県は松茸の名産地ですが、松茸を生育するためには赤松林が母林として必要になります。現在県内で有名な赤松林は中北部から南部に広がっている林で、そこで全国のトップ10に入るほどの生産量を補っているのが現状です。要するに岡山県での赤松は建材ではなく、第一次産業に欠かせない樹木となっています。
そういった意味合いでは取引状況は盛んではないです。
しかしヒノキや杉は現在でも林業の主役を誇っており、なかでもヒノキはその希少性から経済状況など様々な要因に流されない不変性があります。現に加工された木材は県内だけでなく、近畿地方を中心に出荷されているので全体的な取引状況に衰えはないです。ただし岡山県の赤松となれば手に入りにくいといっても過言ではありません。

 

 
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