トルクメニスタンの木材市場の現況(2019)

トルクメニスタンは国土が日本の1.3倍でありながら人口は500万人程度と人口密度が非常に低い国であり、原油や天然ガスなどの鉱業がメインです。一見すると森林が多そうに感じますが、大部分を占めるのは牧場や牧草地となっており、森林の面積は国土の1割弱と少ないです。トルクメニスタンでは森林はすべて国の物であり、国がすべてを管理しています。そして、森林の伐採を禁止していることも大きなポイントです。しかし、環境衛生上の理由以外の伐採を禁止しているものの、違法な伐採が横行していることも問題視されています。

 

森林の伐採を禁止する要因の1つに厳しい気候条件があります。トルクメニスタンの9割程度が砂漠であり、雨もそこまでは降りません。森林の大多数は天然林でしかもこの環境下であることから伐採をすることは国土保全に大きな影響を与えます。また人工林に関しても砂漠化を食い止めるために行われていることから、どちらに関しても流通は非常に厳しい状況です。天然林を整理するために一部を伐採するケースがあり、それがわずかに木材市場に流通しているというのが現時点での現況です。

 

原木の生産量自体は以前に比べてある程度増えていますが、いわゆる薪炭用に使われており、それ以外にトルクメニスタンで生産されたものは使われません。家具工場などもあるにはありますが、そのほとんどはロシアからの輸入に頼り、木材を輸出するということはほとんどないのが実情です。なので、日本でトルクメニスタンの木材を手にする機会というのはほぼないとみて間違いありません。もちろん今後木材市場に流せるだけの木材が入ってくる可能性はないわけではないものの、極めて低い可能性と言えます。

 

砂漠化が進むエリアは多いですが、それでも1割程度で踏みとどまっているのは法律のおかげです。そこからいかに増やして木材の依存をいかに減らしていくか、そこがトルクメニスタンの大きな課題となっています。

 

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