ニカラグアの木材市場の現況(2019)

ニカラグア共和国の国土に占める森林面積の割合は、かつては60%を占めていて優良な天然林が広がっていて隣国に出荷されていて木材市場は活発でした。
近代化によって農牧地への開墾や、良く育った優良な天然木を外貨獲得のため伐採され続けた結果、森林資源が減少して度重なる内戦も影響して1990年代には森林面積が国土の25%まで減少しました。
ニカラグア政府も幾度も植林事業を試み、森林減少を止めようとしましたが中々進展が見られなかったため、海外の産業植林機関に協力を要請しているのが現状です。
ニカラグア政府でも1992年以降に天然林の伐採規制や保護を目的にした方策は行われてます。
例えば、これまで自然林地帯と植林した森林との所有権が明確ではなかった事が違法伐採を助長していましたが、土地の所有者を明確に全国森林台帳に登録されて、森林法令の元で持続的に林産業に従事できるようになりました。
それ以外にも政府の機関が、海外の政府系金融機関などの支援を受けて、今まで資金を得る事が出来なかった中小規模の林産地の土地所有者に対して資金的面での支援を行う事業が盛んに行われています。
ニカラグアの林産品のうち90%以上が燃料用の木材として使われ、年々その量は増加した事が天然林の伐採に繋がりましたが、内戦が終わって平和になっても燃料の変更が行われず、現況でも違法な乱伐が無くなる気配はないです。
残りの10%の産業用木材は、嘗ては木が柔らかく加工しやすい広葉樹が利用されてましたが、伐採技術の向上によって硬くて軽くて建築材や家具などに加工しやすい針葉樹の利用が上回っていて収益性と生産性が以前より上がっています。
林産品の輸出量の大半は針葉樹や広葉樹を加工した製材品が殆どで、木材資源が乏しい近隣諸国に出荷されてます。
ニカラグアでは木材から紙やパルプを生産する技術が無いので、それらの製品は全て海外からの輸入品で賄っていて、それ以外に建築用に加工された合板の加工技術も無いため輸入しています。

 

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