トーゴの木材市場の現況(2019)

アフリカにあるトーゴは面積が568万ヘクタールで九州よりやや大きい程度、人口は600万人程度となっており、人口密度は多少低い状況です。農業がメインとなっており、カカオや綿花が主力の産業となっていることから耕地が国土の4割程度を占めており、森林は6%程度しかありません。深刻なのはここ最近で森林の面積を大きく減らしている部分です。以前は国土の2割弱を森林が占めていたトーゴでしたが、農業がメインとなる中で森林を耕して耕地にするケースが増えたことが森林を大きく減らしてしまった要因と言えます。

 

他にも原因はあり、森林火災の発生や薪炭材に用いるための過剰な伐採などがあります。原生林と呼ばれるものはトーゴには存在しないとも言われ、それだけ多くの森林が様々な要因によって減らされてきた歴史があり、特にこの20年は毎年数%ずつ面積を減らし続けている状況です。木材市場の現況を見ると、丸太で輸出するケースがほとんどであり、日本に輸出されることは少なく、主にインドやパキスタン、中国がメインの貿易相手国となっています。輸出量は金額にするとだいたい4000万ドルとなっており、主力の産業の1つになっている状況です。

 

年々森林面積を減らすだけでなく、人工林がそれほど増えていないことも深刻な状況を示しています。例えば天然林の伐採をできるだけセーブして人工林を増やすというのがよくある姿ですが、これが行われていないために今後木材の枯渇が進む可能性があります。そうなるとこれまで木材を輸出していたものの、それが全くできなくなります。自国で消費しても余るような状況だからこそ輸出できるのであって、それが難しいとなれば輸出面で大きな影響が出てきます。

 

木材市場に与える影響は全体から見れば小さいかもしれませんが、中国のように多くの木材を必要とするところが別のところで幅を利かせることで木材市場全体の高騰を生み出す可能性があるのでトーゴの動きに注目しなければなりません。

 

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