スペインの木材市場の現況(2019)

スペインは、南ヨーロッパのイベリア半島に位置する人口4千6百万人の国です。西をポルトガルと接し、南にイギリス領ジブラルタルと接し、北東にフランスとアンドラと接しています。ローマ帝国の支配を受けた後、ゲルマン系のいくつかの国が建てられました。8世紀にはイスラム勢力が侵入し統治下に置かれましたが、キリスト教勢力がこの地域を取り戻します。20世紀前半に起こった内戦では、左派で共和派の人民戦線と右派でナショナリスト派とが争い、当時のソビエト連邦が左派を支援し、ドイツとイタリアが右派を支援するといった構図ができあがりました。スペイン全土は右派側が制圧してようやく内戦が終結しました。その後、フアン・カルロス1世の即位によって王政復古が成し遂げられ、国王を象徴君主という位置とした上で主権は国民にあるといった現在の体制ができあがりました。
スペインの建築物は古来から石材やレンガを用いて建てられてきました。これは元々この地域が乾燥していて豊富な木材が採れない点が主な理由です。また地震の発生が少ないので、木材建築物のような地震の振動を柔軟に交わす構造である必要がなかった点も理由であります。また夏には摂氏40度を超える暑さと強力な日差しが照りつけるため、外壁を白色で塗装することが多くされてきました。これは高温でありながら湿度の低い気候により、日差しさえ遮ることができれば暑さをしのぐことが可能であることに由来しています。
スペイン国内の木材市場の現況としては、木材流通はセクター単位で運営されていて、およそ1万9千社に企業と10万人を超える従業員で構成されています。売上高は実に190億ユーロを超えていて、年間成長率5パーセントを達成しました。ここからは142の国と地域あてに木材が輸出されていて、欧米各国へのものが伸びを見られます。これら輸出の木材は、木材繊維パネルなど有機複合材が多くて、次いで床張りパネルやセルラーパネルなどの建設用の木材パネルが第2位になっています。

 

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