ロシアの木材市場の現況(2019)

ロシアは2012年の8月に正式にWTOのメンバーになりましたが、これに伴って、欧州委員会により承認されることになったロシアの製品に対し新たな関税が課せられることになりました。関税を段階的に削減するのに伴って、木材にまつわるロシア連邦の大きな関税政策の変化は、木材市場の中でも針葉樹丸太を輸出する取引に大きな影響を与えているのが現況となります。ロシアが輸出している丸太のほとんどが針葉樹の丸太であることを考えれば、このことは非常に自然な流れです。

 

同盟に加入している国々の中でも、特にロシア連邦やベラルーシ、カザフスタンに対する丸太の輸出に関係する関税が15パーセントであったのに対して関税同盟に加入していない国々に対する関税が25パーセントになることを考慮する必要があります。加工していないヨーロッパモミとも呼ばれるヨーロッパパインやヨーロッパトウヒには、欧州連合に加入している国々に対し600万立方メートルを含んだ620万立方メートルの割当てが存在し、それらに対する関税は13パーセントです。しかし、この割当てを超える量に関しては80パーセントもの関税が課せられています。

 

ヨーロッパアカマツの丸太を輸出する割当て量は、EUに加盟している国々に対する360万立方メートルが含まれている、およそ1600万立方メートルで定まっている状態です。この割当て量に対して課せられる関税は15パーセントとなっていて、この割当て量を超えるものに対しては、80パーセントの関税が課せられます。

 

割当て量はライセンスにより割り当てられることになるためロシアがWTOに加入してからは、加入する前の半分ぐらいにまで大幅に削減された輸出関税の下で、2230万立方メートルのスプルースとパインの丸太を輸出することが出来るようになっているのです。このように明るい見通しとなっているのが、ロシア連邦における木材市場の現況となっています。

 

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